レントロールの重要性

レントロールについて、投資家さんからご質問を頂くことは多いと思いますが、

適切に答えられているでしょうか。

初めに僕の考えをお話ししたいと思います。

一棟アパートや一棟マンションの賃貸経営では、

賃料収入は毎月安定しているケースが、割と多いと思います。

そして、それは、ある程度レントロールを見れば分かりもしますが、

見るべきポイントとして、満室か・空室があるか、

この点のみに目が行ってはいないでしょうか。

もちろん、空室があるかどうかは重要なポイントですが、

今の家賃が今後も継続できるのか?

と、オーナー様目線で考えることも、とても重要なポイントです。

レントロールというのは「各入居者さんの家賃表」です。

各入居者さんの家賃や賃貸の契約期間を、一枚の紙にまとめてありますが、

物件の提案をする際には、このレントロールの妥当性を確認する必要があります。

例えば、長期間に渡って入居している人の賃料は、

他の人の賃料に比べて、少し高くなっている傾向にあります。

これは、10年前に賃料10万円で入居した人が賃料を継続したまま今に至っていることが想像できて、退去と入居を繰り返した他の部屋は、賃料が相場まで下がっていることを意味します。

仮に賃料相場である7万円にまで下がっているのであれば、

10万のお部屋は、いずれ3万円の賃料が下落する、というリスクがあると、考えるのが妥当です。

つまり、物件を購入する時は、全室の賃料を、現在の賃料水準に引き直して検討する必要があるということです。

一番分かりやすいのは、全室空室にして、再度募集した時に、どれほどの賃料を得られるか、を想定することです。

ちなみに、このポテンシャルをGPIとも呼び、引き直し賃料の家賃年収を意味します。

そして、GPIを求めた時に、全体的に賃料収入が相当下落するのは問題です。

というのも・・・

仮に「20% 賃料が下がる」ということは「20% 物件価格も下がる」

ということを意味します。

例えば、家賃年収100万で利回5%の場合。

物件価格は、「100万円÷5%=2,000万円」ですが・・・

家賃年収80万円で利回り5%になれば、

物件価格は、「80万円÷5%=1,600万円」です。

物件価格が400万も下回るんですよね。

ですから、今後、賃料が下がる可能性については、

慎重にとらえなければなりませんし、

逆に、賃料が相場よりも低くて、今後、賃料を上げられるかも、

という可能性を秘めている物件は優良物件です。

例えば、家賃年収100万で利回5%の場合。

物件価格は、「100万円÷5%=2,000万円」ですが・・・

家賃年収120万円で利回り5%になれば、

物件価格は、「120万円÷5%=2,400万円」です。

言うまでもなく、物件を売却する時に儲かる訳です。

ちなみに、不動産投資の特性は、購入時の表面利回りが絶対的な数字ではありません。

そのオーナーの努力次第で、利回りが高くもなるのが、不動産投資の醍醐味でもありますから、表面利回りが低い物件でも、立地が良好で建物も定期的に修繕が施されたものであれば、そして、今後の家賃年収が上がるよう改善していけそうな物件であれば、

その物件を投資家さんへ提案するという判断は決して間違ってはいないと思います。

あと、入居率ですね。

入居率というのは、所有する不動産の戸数に対する入居者の割合を意味します。

もし2戸のアパートのうち、1戸に入居者がいてもう1戸が空室なら、入居率は50%です。

そして、現在の入居率が低いのであれば、その原因を知ることも重要です。

例えば、迷惑な住人がいて、他の住人が退去してしまうとか、

そもそも不人気な地域で、その一帯の入居率が低いという事情であれば、

そう簡単には解決はできません。

もし現在の管理会社の能力不足のために入居率が下がっているのであれば、管理会社を変更することも必要です。

はい、いかがでしょうか。

今朝は、「レントロールの重要性」をお話しましたが、

レントロールで重要なことは、家賃と稼働率が、適正なものかどうか、

今後、リスクはあるかないか、ということです。

この点をお客様へお伝えすることをオススメします。

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